まかないこすめのハンドクリーム

まかないこすめのハンドクリーム


 今年の私の冬のテーマはいかに綺麗な手を保つか、である。もともと乾燥肌だが、手はハンドクリームをつける程度。しかもサボる。爪は特に乾燥していて、放っておくとボロボロ。でも、実はハンドクリームを見るのは大好きなのである。毎年いろいろ試してみている。今年は特にハンドクリームに対する思いが熱い。もちろん、マダムブランドの何千円もするハンドクリームを買うほどお金に余裕はない。というわけで、どうしても高くても2000円くらいのものまでかな。ドラッグストア、バラエティストアに行くと、狂ったようにハンドクリーム売り場で新しい商品、面白い商品がないか目をギラギラさせながら物色するのである。ハンドクリームは、いくつあってもいい商品だと思うけれど、そんなに買ったって仕方ないのはわかってる。でも面白いものや新製品があると買いたくて仕方なくなるのだ。「よしなさいっ!」というビートキヨシの声が聞こえる(わからない人ごめんなさい。ある年齢以上の方はわかると思うけど。)が、欲しいものは欲しい。しかも、そんなに高い商品でなかったりするから大変だ。自分でも馬鹿だと思うがつい買ってしまうのである。

 先日、デパートに行った時、コスメフロアの入り口でまかないこすめ公式オンラインショップという金沢のご当地コスメのキャンペーンをしていた。もう百余年の伝統のある金箔屋さんがもとなのだそうだ。「まかないこすめ」の名前は知っていたが、実際見たのは初めて。まあ、脂取り紙で有名な京都のよーじやみたいなもので、金沢でしか買えないが、時々各地のデパートでフェアをやっているらしい。インターネットでも買えるそうだ。

 私はこういうのには弱い。すぐ買いたくなる。しかもパッケージがかなり可愛い。うさぎが餅ついているのだ。たまらないではないか。商品のラインナップを見ると、ハンドクリーム、リップクリーム、化粧水など。私がじっと見ていると、販売のお姉さんがすぐ話しかけてきてくれた。私が目をつけたのは案の定、ハンドクリーム。平べったい容器に餅つきうさぎの絵が書いてある。1200円だからドラッグストアなどのハンドクリームと比べたら決して安くないが、平べったい入れ物と餅つきうさぎの可愛らしさにノックアウトである。お姉さんにつけてもらうと、軽いけどしっかり水分が感じられる。ベタベタもしない。「オイルは何を使ってますか?」などと、私はコスメ好きらしく相変わらず厳しい質問をすると、「ひまわり油がメインなんです。口に入っても大丈夫なんですよ〜。」とのこと。へえ、ひまわり油のハンドクリームなんて珍しい〜。「香りはどうなんですか?そんなにしないですよね?」「ニュウコウという香料がはいっているんですけど…。」「あ、乳香って書くやつですよね?」というと私が即座に答えるとさすがにお姉さんもびっくりしていた。ちょっとアロマの本を読んだりしたことがある方ならご存知かとは思うが、まあ、一般的にはそんなに知られていないのだろう。乳香って私は本当はあまり好きではないのだが、このハンドクリームはたしかにほとんど香りがしない。本当にほのかな感じるか感じないかの香りがする程度。肌なじみもいいし、ひまわり油も珍しいので私はそれを購入することにした。ああ、またハンドクリームを買ってしまった…。でもいいや。金沢に行って買うのもそうできることではないし、ネットで買うのも面倒だし、ここで遭ったのも縁だ。

 ついでに他の商品を見回すとなにやらスポンジみたいなのがある。私の視線に気づいたのか、お姉さんが、それを見せてくれた。凍りこんにゃくスポンジというもので、乾燥してカピカピのこんにゃくが、水を吸うとふくらんで、スポンジ状になって肌をマッサージするように使うととても気持ちいいそうだ。手の甲をマッサージしてもらったら、たしかに気持ちいい。これも欲しい…。でも、今、うちにはファンケルの顔用スポンジがあるし止めておこうかな。と思っていると、そのスポンジの全身用というのが目に入った。ちょうど肘のあたりの角質が気になっていたので、それでマッサージしながら洗ったらいいかも。私はそちらの全身用を買うことにした。顔用は半球だが、全身用はまさに凍りこんにゃく。手に乗るくらいの大きさの長方形をしている。結局、ハンドクリームと全身用こんにゃくスポンジを購入した。

 こんにゃくスポンジは、買った時はカピカピなので、まずはお湯につけてスポンジっぽくなるまで戻す。どんどんお湯を吸っていく。だんだん大きくなっていくこんにゃくスポンジに私は驚愕した。真っ白くて四角い塊…もうそろそろ使ってもいいかな。カピカピだった塊が適度に柔らかくなってくる。ボディソープをつけてちょっと泡を立てる。モコモコとはたたない…。まあ仕方ないか。なんだかそのこんにゃくスポンジをじっと見ながら泡を泡を立てていたら、だんだん一反木綿に見えてきた。なんかますます大きくなっている気がする。だいだい泡が立ったとところで体を洗ったら、たしかにいい気持ち。適度に刺激もあってマッサージ効果もあるかも。いい買物をしたなあ。でも、その後、湯船に使っている間、私はお風呂場にそのスポンジをつるしておいた。そうしているうちに、こんにゃくスポンジはさらに大きさをましていった。そう、一反木綿を通り越して、もっとモコモコ大きな…そう、NHKのどーもくんの白版って感じだ。もちろん顔は描いてないけどね。
 さすがに毎日は無理でもたまにマッサージをかねて使うには非常にいいと思う。それに使うの面白いし。でもカビないかはちょっと心配。風通しのいいところに干しておけば大丈夫だそうなので管理には気をつけよう。