日野市立新選組のふるさと歴史館の特別展

日野市立新選組のふるさと歴史館の特別


 先日オープンしたばかりの新選組のふるさと歴史館に早速行ってきた。山本土方に傾倒している妹と一緒である。JR日野駅から歩いて15分ほど、バスですぐらしいのでどちらかで行こうとは思ったが、面倒臭いのでタクシーに。ワンメーターなので、二人くらいならその方が楽かも。とにかくこのあたりは山なので、やたら坂が多い。私ははずれとは言え、東京23区ない在住なので、本当についたときは山だ〜野っぱらだ〜と思った。お住まいの方、本当に、失礼。タクシーの運転手さんによると、以前からあった施設が名前を変えた建物らしい。でも日野市立。日野も頑張ってるなあ。このまま、トシを盛り上げて欲しい。<歴史館に到着> 
さて、到着して早速もう涙、涙。のぼりがいっぱい立ってるだけで感動である。いや、もう日野についた時点でものすごい感動してたんだけどね。

 思ったよりも建物は小さい。ま、そんなもんか。中に入ると、まずは券を購入。すぐにロビーのようなところがあり、目に飛び込んでくるのは中央に置かれた五稜郭ジオラマ。まあ細かいところまでよく作ってある。最近はCGとかで作ってイメージを広げたりするんだろうけど、こういうアナログな作り方をわざとして、土地の起伏とか、位置関係なんかを想像するんだろうなあ。スタッフさんの愛を感じる作品である。

 そして振り向くと、あの、あの「誠」の旗が…!!尾関が守り通した真紅の赤い旗が、展示してある。…ただし、ボロボロ……それはもちろん函館までへの道のり、そして函館での激戦をくぐりぬけた証である。端はちぎれているし、銃弾を浴びたあとはあるし、こげたようなあと、土で汚れたような跡…。この旗を汚したりちぎったり、焦がしたりしたスタッフがきっといらしたはずだ。どんな思いだったろうか。きっとそのスタッフさんもこの旗を愛していたに違いないのに…仕事とはいえ、辛い作業だったのではないだろうか。役者さんたちもそうだが、スタッフさんも頑張ってらっしゃるのだ。目の前にボロボロになった旗を見てると、本当に京都時代からも含め、長い長い闘いと隊士の思いがぐっとくる。私は人目もはばからず、思わず旗に手を合わせてしまった。<展示室へ入る>
こちらは普通の博物館の雰囲気。土方歳三のお姉さん・のぶさんのだんなさんで新選組パトロン的存在だった佐藤彦五郎さんや小島さん関係の書簡などが並ぶ。私は大学時代、ほんの少しだけ江戸文字を習っていたので、その記憶を思い出せる限り思い出して少し読んでみる。でもやっぱり難しい。年代を追ってだんだん、土方の足跡、京都時代への説明へ入っていく。資料は紙関係が多かったなあ。紙は劣化するから、照明には本当に気を遣って大事にして欲しいものである。このあたりで、困った若い男の客に遭遇。警備やガイドをしているであろう、シルバーサービスみたいな館員のおじいさま二人を捕まえて、「これ知ってます?」とか説明しまくり。ああ嫌だ、こういう男。最悪。あんたの知識はどうでもいいよ。しかもその館員さんも話し聞きすぎ。ああいうやつは適当にあしらっとけばいいのに。大きな声で偉そうにしゃべりたてるバカ男よ、お前なんて新選組ファンではない。とっとと出て行け。

 そのあと、八坂神社に奉納された有名な天然理心流の額を見た。局長も総司も違う名前で書いてあるのが珍しい。まだたった140年前のことなんだな、とふと思う。<天然理心流の木刀>
まあ、そのアホ男を尻目に私と妹はどんどん展示を見ていく。すると、ちょっとした空間があって、天然理心流のあの重たい太い木刀が置いてある。それと普通の木刀。その区切られたスペース内では注意しながらなら触ってもいいらしい。
 私は実は中学生のとき、なぜか体育の授業で剣道をやらされた。普通バレーボールとか、そういうのをやるんだろうけど、先生の趣味で中2、中3と冬の間の体育はなぜだか面、胴、小手をジャージの上に着用して剣道の基礎を習った。ついでに行っておくが、私が行っていた中学は女子校。当時はなんで剣道?と思ったが、今思うと習っておいてよかった〜。その時の記憶を思い出し、私は天然理心流の木刀を手にとった。う、重い。本当に重い。太さも普通のものの2倍どころではない。私が中学のときに習ったのは、今行なわれている一般的な剣道だから全然違うのだけど、思い出しながら、木刀を構え、振ってみた。ひええ、こんんなのずっと振ってたら大変だ。新選組!では彦五郎さんの使用人さんたちが習わされていたけど、ねをあげるのは当たり前。私も中学のときは軽い竹刀を授業で振っただけで翌日恐ろしい筋肉痛に襲われたものである。続いて、普通の木刀。これはさすがに軽い。竹刀よりは扱いやすいかも。木で握りやすいけど、決してなでたりしないように。あの、刃にあたる部分は、たとえ竹刀であっても絶対触ったり粗末に扱ったりしてはならないのだ。それが剣道である。<いよいよ「新選組!」「新選組!!」小道具コーナーへ>
区切られたスペースの入り口には見覚えのあるのれん…そう、あのおまさちゃんの店、お多福ののれんである。説明によると、火事でやけた後のものだとか。可愛い〜。これは触っても大丈夫。中に入って全部いっぺんに見るともったいないので、端から順に見ていく。芹沢一派に壊された「壬生浪士組」の看板とか、懐かしい品々で興奮の嵐だ。でもやっぱり目が行ってしまうのはあのコルク…。このコルクがどうやって出会うか、おみつさんの手に届くのかは続編でやるのかしら。そのコルクのあるケースに無造作に置かれている可愛いメモ帳。…思って開けたのが、おまさちゃんが「九つとせ」などと写してきたメモ帳である。これは置いてあるので触ってもいいんだろう。中身を全部読んでみた。おまさちゃん、結構キレイな字である。ケースの中にある左之助からおまさちゃんへのラブレター、これも可愛い!!テレビではちょっとしか映らなかったけど、ひらがながほとんどなので、特に江戸文字や漢文を知らなくてもちゃんと読めると思う。愛しい愛しいおまさ殿で始まる、いかにもサノなラブレターに失笑。たしかに字はきれいというか読みやすかったな。おまさちゃんのメモも上手だったから、字が上手なところが気に入ったってのはなんだかわかるかも。
 で、このあたりで最高だったのが、八木家の為二郎ちゃんが近藤先生に見せる日記。本編では「おほへ」と書いてあったが、もちろん「覚え」でメモや日記を指す。これも実際触って中身を見られたので見てみると、「おほへ」の次のところは「覚へ」と漢字になっていた。なんでだろう。
 で、中身を読み進めていくとこりゃ最高。本編では、冒頭の「関東から武士がたくさん来た。近藤という人はやさしそうだ。」とかそのくらいしか映らないのだが、その続きが10日分くらい書いてあるのだ。これは「仕候」とかが文末についてるくらいで、だいたいはかなと普通の漢字、カタカナなのですぐに読めると思う。中身を全部妹と二人で読んだが、本当に面白かった。とりあえず最初の方は関東から着た武士を預かる八木家のことが書いてある。おばあ様が怒ってるとか、お姉さま(おひでちゃん)が男の格好をしていて変とか。子どもらしくて可愛いのだ。
 そのあと、隊士についていろいろ書いてある。特に芹沢と総司とサノについて。芹沢は絵を描いてくれたという。これは本編でもあったエピソードらしいがカットになってしまったとか。この絵も展示しているときもあるのだが、この日はなかった。1週間くらいして展示替えしたら出てくるだろうか。あと、為ちゃんは総司は結構優しくて面白いというようなことを書いていた。そのせいか、やたら総司と相撲をとっている。総司がものすごく暇そうだとも書いてある。で、為ちゃんは毎日総司と相撲を取るはめになり、最後の方では仕方なくとってやった、というような感じの記述に変わっていくのが面白い。また、サノについては、いつも何か食べているという記述がたくさん。しかも、食べ物食べ物とうるさくて、房吉さんにも迷惑をかけていたとか。本編にはなかったけど、小道具さん、楽しく作ったんだろうなあ。極めつけは例のサノの切腹跡の話。為ちゃんは嫌がってるのに、サノは見ろ見ろとうるさく、無理やり見せられて気持ち悪かったと。
 とにかく、為ちゃんは暇そうな総司と相撲をとってやり、サノに無理やり切腹跡を見せられたりしてたようだ。なんかほほえましくてたまらない。

 続いて今度はなんともいえない品が…。山南さんのお仏壇とお位牌である。しかも菜の花つき。山南さんの大小も飾ってあった。そして坂本さんに渡った「託す」の紙も…。何枚も貼ってあった。いろいろ書いてみて山南さんらしいのを選んだんだろう。それにしても、ええい、泣かせたいのか、この展示者は…。ええ、もちろんここでも私は拝みました。もう見ていられない感じ。

 石田散薬を売っていた籠もあったなあ。なんかちょうどいい感じの大きさだった。黒神のニセサイン入りと手形入りの団扇も。桜田門外の変に参加した広岡さんちの表札もあった。細かいとこ見せてくるなあ。

あとは、続編で使われるであろう品のコーナーもあり。ネタバレにはならないと思うので安心してご覧いただきたい。でも、ここにコルクが山と積まれていた。さっき見た二つのコルクはいったい…ま、替えのコルクだったりするんだろうが、ちょっと興ざめ。コルクは二つでいいんだよ!

 次のコーナーは刀が中心かな。総司の白鞘の大小。これとともに一生を終えたのかと(ドラマではなかったけど)、もうぐったりするほど落ち込む。おまけに総司の手袋(?)も…あれに池田屋のとき、血がたっぷりついてたよな…。はぁ…。

 その他、恐らく第一回の三谷さんが「イメージ」と呼んでいる場面の酒場のメニュー表が貼ってある。だいたい17日の時点ではこんな感じのものがあったかな。また展示が替わって違うものが見られるのだろうけど。でも私は大事なことを思い出した。そうだ、あれを見たい!!というのも、私は斎藤の大ファン。あの木彫りのいわゆる「モアイ」は何処に…?よ〜く見たけどない。ああ、今日の展示には登場していなかったか。また見に来なきゃ。

 さて、ここでもまたバカ女に遭遇。間違いなくカメラかビデオらしきもので小道具を撮影していた。注意しようかと思ったが、それもアホらしいのでやめた。そういう女は続編見なくてよろしい。それにしても、館員の人も、さっきのアホ男とかの話につかまってないで、ちゃんと展示物の管理に目を光らせてないと困る。番組の小道具は歴史的価値はないかもしれないが、普通の展示物にそんなことがあったら大変だ。猛省して欲しいところである。

 そのあと、爆笑だったのが、トシの洋装と、隊士服に着替えられるコーナーがあったのだ。まるで試着室みたいに。実際やってる人はいなかったけど、妹と入って刀だけは抜いてみたり触ってみたりした。時間のある方はやってみたら面白いかも。

 そのあと、最初に誠の旗が飾ってあったロビーに戻る。ここは撮影の許可が出ているので、誠の旗の前で記念撮影。本当に小さい博物館だけど、新選組ファンなら一度は行ってみて欲しいところである。まだまだオープン間もないところ、いろいろあるんだろうけど、貴重な資料はしっかり守って欲しいものである。